民法親族 2章1節2款 婚姻の無効及び取消し

民法親族 2章1節2款 婚姻の無効及び取消し

民法親族 2章1節2款
(婚姻の無効)
第742条
婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一  人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
二  当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第739条第2項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。

(婚姻の取消し)
第743条
婚姻は、次条から第747条までの規定によらなければ、取り消すことができない。

(不適法な婚姻の取消し)
第744条
1 第731条から第736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
2 第732条又は第733条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。

(不適齢者の婚姻の取消し)
第745条
1 第731条の規定に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消しを請求することができない。
2 不適齢者は、適齢に達した後、なお3箇月間は、その婚姻の取消しを請求することができる。ただし、適齢に達した後に追認をしたときは、この限りでない。

(再婚禁止期間内にした婚姻の取消し)
第746条
第733条の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消しの日から6箇月を経過し、又は女が再婚後に懐胎したときは、その取消しを請求することができない。

(詐欺又は強迫による婚姻の取消し)
第747条
1 詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
2 前項の規定による取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後3箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。

(婚姻の取消しの効力)
第748条
1 婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
2 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受けている限度において、その返還をしなければならない。
3 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責任を負う。

(離婚の規定の準用)
第749条
第728条第1項、第766条から第769条まで、第790条第1項ただし書並びに第819条第2項、第3項、第5項及び第6項の規定は、婚姻の取消しについて準用する。

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